art

徳川美術館展ー尾張徳川家の至宝

蒸し暑い日々が続いておりますが、相変わらず元気な私は食欲が収まらず、体重増加中・・
重い体に鞭打ちつつ、

六本木の東京ミッドタウン ガレリア3階 サントリー美術館で開催中の「徳川美術時間展ー尾張徳川家の至宝」を見に行ってきました。

展示会図録

徳川美術館とは

江戸幕府徳川家の御三家・尾張徳川家(名古屋城を居城とし尾張国を治めた大名家)が代々継承してきたお宝の数々。

19代当主・義親はこれらの宝物を守り伝えるべきと、1931年に名古屋に徳川美術館を創設しました。

今回はサントリー美術館にその徳川美術館のお宝の数々がやってきています。

名古屋城二の丸御殿を部分的に再現したという、名古屋の徳川美術館ですが、なかなか名古屋には行く機会がない・・

徳川の力とその時代の文化を感じる機会を楽しみにやってきました。

徳川美術館

大名文化が華ひらく

まずは、刀剣や甲冑といった、ザ・武士!なお宝から始まったこちらの展示会。

刀・・あんまり興味ないなぁと思いつつ・・

実際に目にしてみると、刀そのものに力が宿り崇高な雰囲気を身に纏っています。

学生時代に習った歴史の中の登場人物は、何を思いその刀を見つめたのだろう・・

どんな風に手に取ったのか・・

自然と想像力も掻き立てられます。

歴史の生き証人として誇り高くその場に佇み、過去とここにいる現代人の私を繋いでくれている。

なかなか良いスタートです・・

続いて、茶道具・絵画・着物・能面と、あらゆる大名文化が花開いています。

どれもこれも品格に溢れ、本当に見応えのある品ばかり・・

さすが徳川家ですな・・

圧巻のお宝尽くしで、見飽きるということがまるでありませんでした。

そして展示会を締めくくるラスト・・

「国宝 源氏物語絵巻」と「国宝 初音の調度」が人だかりを作っています。

三代将軍家光の長女・千代姫がわずか3歳で尾張徳川家に嫁いだ際の婚礼調度はまさしく絢爛たる美しさ。

徳川将軍家と御三家にのみ許された梨子地上げで、最高峰の蒔絵が施されています。

とても約400年前の作品とは思えない美しさで、細やかな職人技に目を奪われました。

振り返ってみて特に印象深く私の脳裏に残っているのは、能面でしょうか。

ちょっと怖いイメージしか抱いていなかった能面でしたが、静かで怪しげな魅力を放っていました。物にはやはり魂が宿るのでしょう。内なる迫力を持って佇んでいました。

可愛らしい貝合わせもありました。細やかな絵が描かれていて、手に取ってその愛らしさを眺められたら楽しいでしょうね。

お宝尽くしの展示会。満腹です!

展示会図録より

今日の学び ー蒔絵についてー

蒔絵はなんと奈良時代からあり、最古のもは正倉院の宝物「金銀鈿荘唐太刀(きんぎんそうからたち)」という太刀の鞘何だとか・・

平安時代には螺鈿の技術も生まれ、
鎌倉・室町時代に今の様式が確立されて隆盛を極めました。
江戸時代には蒔絵の産地が出来上がり、一般にも普及し初め
明治には美術工芸として世界に知れ渡ります。

梨地は蒔絵の技法の一種で、細かく砕いた金粉を蒔いた地のこと。
表面が梨の皮に似ていることから付けられました。

数十年前に茶道を習っていた頃、梨地のお棗が使われた事がありました。

よく価値が分かっていない私に、横隣に座ったマダムが「車が買えちゃうわよ」とこっそり呟きました・・梨地を見る度に、その時のマダムの様子を思い出してしまいます・・・何でもすぐ忘れてしまうのに、妙な事だけよく覚えている私・・

細かやな労力を惜しまない、蒔絵の技術。高価なの納得です。
一度体験してみて、もっと理解を深めてみたいな・・

今日のいっぷく

気になっていた美術館併設のカフェにお邪魔しました。

今回の展示会にちなんだ「初音の調べパフェ」があり魅力的でしたが、気になるウエストまわりを考えて、豆乳アイスが添えられたあんみつをセレクト。

色取り取りで可愛らしい。

図録をみて、今日の展示会を振り返りながら、ペロリ。

気付いたら味わう間もなく無くなっていました。

私はどうも自分の動作に自覚がないらしい。

今日も刀剣をボーっと見ていたからでしょうか。

何処ぞの熱心なおじいちゃんに、「ちょっとそこどいてくれますか」と言われてしまった・・

(私も一応見学してるんですけど・・)と内心反発しつつも、おじいちゃんに場所を譲る私なのでした。