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日本・東洋 陶磁の精華ー出光美術館ー

R6年12月をもって、ビルの建て替えのためしばらく休館する出光美術館。今年は美術館が誇るコレクションを4回に分けて展示しています。今回は第3弾目で、中国・朝鮮・日本の陶磁器の数々を陶磁器の歴史とともに紹介していました。

中国陶磁

今まで中国の窯元といえば、景徳鎮窯くらいしか知りませんでしたが、本当にたくさんの窯が中国にはあり、青磁・白磁に始まり青花(染付)・赤・黄色・緑の多彩な色合いまで、その歴史とともに奥深い技術と幅広い作品群がある事を知りました。

主な窯と超簡単な特徴を購入した図録より紹介。

定窯 温かみ溢れるアイボリーホワイトが魅力

磁州窯 白と黒のコントラストからなる文様表現の面白さ

龍泉窯 何といっても、見事な色合いの青磁

景徳鎮窯 青花(染付)の細やかな文様や白磁の美しさ 五彩の鮮やかさ

定窯(北宋)
磁州窯(北宋)
龍泉窯(南宋〜元)

景徳鎮官窯(明)

本当に多種多様な表現で、見るものを楽しませてくれます。

朝鮮陶磁

代表するのは高麗時代の青磁と、朝鮮王朝時代の白磁と青花。

龍泉青磁とはまるで雰囲気が異なる高麗青磁。グレー緑がかった何ともいえない色合いで、結構お好きな方も多いのではないだろうか。象嵌技法で描かれた文様は優しさがあり、日常の生活に馴染みやすく、使いやすい印象です。

白磁も真っ白というより、温かみがある白色で、描かれた青花も柔らかみあふれ、影響を受けた中国陶磁とは異なる作品群を生み出していることが面白いなと思います。

中国陶磁はどちらかというとショーケースなどに入れてきちんと飾っておきたく、朝鮮陶磁は日常的に手元に置き眺め、愛着を持って使いたくなるような器です。

朝鮮王朝時代の青花(染付)
高麗時代の青磁

日本陶磁

もちろん、中国や朝鮮から多大な影響を受けたのですが、歴史を紐解けば、縄文土器/弥生土器が見られるように、長い歴史があります。

縄文土器ってアートだよなぁと迫力あるダイナミックな造形に圧倒されます。結構好きなんです。情熱的ですよね・・。

黒楽茶碗・鼠志野・織部・唐津・九谷・色鍋島と日本の陶磁器も個性豊か。

今回の展示会で1番のお気に入りは野々村仁清の「色絵梅花文四方香炉」

以前、どこかの本で見かけたことがあって、かわいいなと思っていたのですが、まさか本物に出会えるとは思ってもいませんでした。

丸みを帯びた四角の香炉に柔らかな梅枝が描かれています。そして、蓋の上にはちょこんと可愛らしいウサギ、両側には象の頭がついていて何とも微笑ましい限り。仁清の幅広さを感じます。

縄文土器
「色絵梅花文四方香炉」野々村仁清
鼠志野 美濃

中国・朝鮮・日本とちょっと混乱して違いもよくわからずにいたのですが、今回整理されて展示しており、各国の陶磁器の違いがより明確になってとてもわかりやすかったです。

私のような初心者には優しく、理解の一助になると思います。

第3弾はどんな展示なのか、楽しみにまたまた伺おうと思っています。

今日のお勉強ー野々村仁清ー

野々村仁清(ののむら にんせい)は江戸時代の京都の陶芸家で仁和寺の門前に窯を構えました。

門跡より仁和寺の仁と本名・清右衛門の清を合わせて、仁清の号を拝領しました。

優れた轆轤技術と、金彩・銀彩を合わせた色絵で絵画的な装飾を施した作品が魅力的です。

国宝「色絵藤花茶壷」MOA美術館所蔵が有名。

詳細はこちら↓

野々村仁清についてhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E3%80%85%E6%9D%91%E4%BB%81%E6%B8%85

今日のいっぷく

出光美術館から、東京駅へ

丸の内仲通りを歩くのがとても好き。

街路樹が綺麗で、有名ブランドショップやカフェ、レストランが軒を連ね、帝国劇場・三菱一号館美術館などの文化施設もあり、ところどろにユニークな彫刻などの現代アーティストのアート作品が垣間見られる。

冬はイルミネーションも綺麗だし、何も買わず歩いてぶらぶらするだけだけど、とても楽しい!

そんなお気に入りの通りを歩いていたら、皆さんソフトクリームを美味しそうに食べている・・

思わず吸い寄せられてしまいました・・

今日のいっぷくはピエール・エルメ 期間限定オレンジのソフトクリーム!。

レモンメレンゲマカロンがついていて美味しかったー。満足。